▲FKKタイランドの加藤 大貴(かとう もとき)MD(左)と、YN2-TECH 中村 亮太(なかむら りょうた)MD(右)
中央は、米ストラタシス(Stratasys)社の3Dプリンター「Objet260 Connex3」

FKKタイランド(不二化成グループ)、3Dプリンターを自社ブランド「L!ORG」の商品開発に応用

FKKタイランドは、PUレザーとウレタンを使った高周波加工・縫製によるヘッドフォンパーツ、カーアクセサリー、スポーツ用ユニフォームなどを制作している。ここで働くタイ人従業員数は600人を超える。
日系スーパーなどで購入できるというデザイン性の高いマスクも同社の商品だ。

親会社である不二化成工業株式会社(本社:静岡県沼津市)は1959年創業で、名だたる音響メーカーのヘッドフォンに使われるイヤーパーツやヘッドパーツを独自の特殊製法と縫製技術で生産している。
タイ法人であるFKKタイランドは、東南アジアの生産拠点として2011年に設立された。
タイ独自の商品としては、ゴルフ用品ブランド「L!ORG(エルオーグ)」を2020年に立ち上げ、シャツやゴルフ手袋、シューズ用バッグなどを開発・販売している。
同社の商品作りに活用されているのが、YN2-TECHの提案により導入された3Dプリンターだ。
▲Strayasys(ストラタシス社)Object260 Connex3

ストラタシス社の3Dプリンターで、簡単・スピード試作品作り

FKKタイランドが採用した米・ストラタシス社の3Dカラープリンター「Object260 Connex3」は、エントリーモデルのハイエンド機。16μmの細かい積層ピッチにより繊細で複雑な形も表現でき、プロフェッショナルユーザーのニーズにも応える。

液状プラスチックを使った3Dプリント システム(ポリジェット方式)と素材の組合せにより、複数の色使い(ニュートラルカラーから鮮明なカラーまで)や透明度(透明~不透明)などの視覚表現に優れている。また、硬度の違い(硬質~軟質)による感触まで再現することができる。

【Objet260 Connex3の主な特長】

■マルチマテリアル&マルチカラー3Dプリンタのエントリーモデル
■カラーバリエーションに富んだ試作品の製作に最適
■色彩、透明度、硬度が変更できる
■高耐熱性の試作品の製作が可能
■CADファイルから、デザイン情報をダイレクトに取り込み可能

3Dプリンターは様々な試作品にチャレンジできる

「3Dプリンターの活用により、ヘッドフォンのイヤーパーツの開発用サンプルの製作期間が圧倒的に短縮されました。そして、今までよりも完成精度の高いサンプル作りができるようになりました。(加藤MD)」

YN2-TECHは、加藤MDの「3Dプリンターの稼働率をもっと上げたい。新しいことに挑戦したい」という要望を受け、前述のゴルフ用品ランドのギアやアクセサリーの試作品作りにも協力している。

「試作品は1から作ると費用も時間もかかるが、3Dプリンターを使えば少ない費用で、様々な形状や色の組み合わせを試すことができる。(加藤MD)」

▲バッグのジッパーに取り付けるロゴ入り部品等を3Dプリンターを使って試作

「3Dプリンターを活用するには、3Dデータが必要です。YN2-TECHは、自動車や家電関連のお客様との仕事の中で、3Dデータ&プリンタによる提案力を磨いてきました。
ゴルフ用品でのB to Cのお客様のための商品開発は初めてですが、FKKタイランドさんと当社で知恵を出し合いながら取り組んでいます。(中村MD)」

AM(アディティブ マニファクチャリング ※1)をこれからもっとタイで広めていきたいと語る中村MD。

「3Dプリンターの販売やメンテナンスだけではなく、一緒に何かを開発していく。それをB to Cで発信していきたいです。FKKタイランドさんとは、パートナーとしてずっと頼っていただける存在になりたいと思っています。3Dソリューションに関して困ったらなんでもご相談いただける存在、目指すは“ドラえもん”です。」

この話の続きは、インタビュー動画をご覧ください!

▲加藤MDの思いが反映されたL!ORG(エルオーグ)ブランドの、ポップな柄で色彩豊かなスポーツウェア
FKKタイランド・加藤 大貴 Motoki Kato/Managing Director
2002年 不二化成工業株式会社 入社
2003年 中国工場立ち上げのため、広州・東莞市に赴任
    2008年まで日本と中国を行き来する
2011年 タイ・FKKタイランドに赴任